大判例

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東京地方裁判所 昭和28年(ワ)1016号 判決

以下は、判例タイムズに掲載された記事をそのまま収録しています。オリジナルの判決文ではありません。

〔事実〕被告は訴外三興金属工業株式会社に対する売掛代金債権保全のための仮差押決定正本に基き同訴外会社の埼玉銀行京橋支店に対する当座予金の差押をした。之に対し原告は右予金は同訴外会社の代表者である原告が訴外会社の対外信用維持のため自己所有の全員を会社名義で預入れたものであるから該預金債権は実質上原告に帰属する。と主張して右差押の執行の排除を求めた。

〔判斷〕原告敗訴

裁判所は証拠によつて、原告主張の預金の経緯、即ち、訴外会社の代表取締役である原告は右会社が設立後日なお浅く財政的基礎が微弱であつてそのため対外取引特に銀行に対する取引の信用をかく得するため、訴外会社の経理担当重役の信頼もあつて、自己の金員を会社の名義を借りて預金しておつた事実を認め、本件預金債権は訴外会社に帰属するいわれはなく、一応原告に帰属すると判断した後、つぎに掲げる理由で原告の請求を棄却した。曰く。

「しかし乍ら、前記認定の事実よりすれば、他に特段の事情の認められない本件においては、原告は訴外銀行と本件預金契約を締結するに当り、外形上は右訴外会社を代表し、ただ内心の意思において自己のためにすることを留保したものであり、且訴外銀行においては、この内心の意思を知ることなしに該契約に及んだものである事実を推測しうる。してみれば、右訴外銀行と訴外会社との間に有効な預金契約が成立したものと認むべきは民法第九十三条の法意よりも明白なりといえる。」…以下略…

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